罪灯(つみともしび)
ちょっとした勘違いから、『罪・万華鏡』と読む順番が逆転してしまった。あんまり大きな問題ではなくてほっとする。
冬都、春都、夏都、そして秋都。
四季の名をもつ彼女たちの、成長とともに起こる、蓋然性の犯罪と巡り会う恋。
四季の名を冠する女達を誘うのは「水に描かれた館」の男達。
死んでしまえばいい、ふとした瞬間に起こる殺意。
だれもが体験する、自分の負の側面。
がしかし、その通りに事件がおきる。そこには、些細な意思が介入しただけ。
はたしてそれは、罪なのだろうか。いや、罪ではない。
そんな時に、その意思を見抜いた男があらわれる。
出会いと別れを繰り返して人は成長していくという。
目的の場所にたどり着くための旅が人生だという。
そんな連作短編四編。