さやなかなるときをここで...

sinfonia

村治佳織「sinfonia」(VICC-186)の全曲感想です。

D.Scarlatti SONATA K.380/L.23

遠くで鳥のかんだかい鳴き声
優雅に空を横切る鳥
空の青に羽の残像があわく
足下のアリは餌を求む
そんな春の風景に

D.Scarlatti SONATA K.391/L.79

今にも落ちそうな若葉
風に吹かれくるり回転
枝を離れ 風に惑わされ
青に緑がはえる
そしてふわり地面に

D.Scarlatti SONATA K.146/L.349

チョウのあやうさ
体にかかるであろう 力
そのすべてを忘れさせられる
果てることなく繰り返される
飛行

J.S.Bach MENUET BWV Anh.114

うららかな太陽
木漏れ日の温かさ
すべてがすがすがしく
ささいな憂いも包み込む
晩春の風

J.S.Bach MENUET BWV Anh.115

夕陽に影は長く
落ち葉はさざめく
あくまでもしとやかに
変化さえ押さえつけられそうな
晩秋の風

J.S.Bach SINFONIA from kantate NO.156 BWV156

暗き風
感情に巾がないほど
ゆっくりと落ち着き
さらりと吹く
周りの景色を
無条件で受け入れられる
空白さ

D.Scarlatti SONATA K.1/L.366

遙かなる石の都
かつての姿を想像し
想いは時代を飛び越える
そこには希望や絶望
いつの時代にもきっとあるなにか

D.Scarlatti SONATA K.9/L.413

夕陽に朱に染まる穂
同じ季節に繰り返される
同じ風景に安心感
あたりまえを感謝できる
そんな心持ち

D.Scarlatti SONATA K.11/L.352

暗闇に揺れる炎
ゆっくり伝わる温かさ
温度の結界に守られ
孤独は押さえ込まれる
日の出を切に望む

D.Scarlatti SONATA K.262/L.446

階段を踏みしめ登る
登りつめた先は明るいと
淡く抱いた希望と共に
汗を冷たく感じさせる
乾いた風

G.F.Handel SONATA OP.1-15

広がる水
様々な形に姿を変え
色々な感情を引き起こさせる
涙汗も水の形
無言の存在感

Ph.E.Bach MARCHE (BWV Anh.122)

暗闇を突き抜け一気に
日の当たる場所に向かう
太陽に力をもらい
天を目指す勢い
若葉の力

Ph.E.Bach POLONAISE(BWV Anh.125)

冷たい風の吹き付ける午後
うっすらと差し込む陽
少しの明るさに
孤独さえ和らぐ
陽の引力

Ph.E.Bach MARCHIE(BWV Anh.124)

大きな翼をおもいきり
広げゆっくりと優雅に
飛ぶ鳥
常に前を余裕を持って
見ることのできるゆとり

J.S.Bach MUSETTE BWV Anh.126

投げ出された小石は
水面とぶつかりながら
向こう岸を目指して
川を滑る
ひたすら前を望む姿

G.F.Handel OMBRA MAI FU

古木の温かさ
もたれて大きな手の中で
眠れるような安心感
土にしみた葉 一枚一枚が
今の確かさを教えてくれる
そして
透明な空気が揺れている
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