さやなかなるときをここで...

殺戮十七音

パラドックス定数 第31項
作・演出:野木 萌葱 
於:荻窪小劇場

席に着くと、目の前に男四人が座っている。
白のワイシャツには、それぞれが詠むであろう俳句が記されている。
時は満ち、開演。

幻想?妄想?分裂?
目の前で繰り返されるのは、狂った四人の会話。
(普段、短歌を詠むとき自分の脳の中で繰り返されていることに似たことを、目の前で再現されると、居心地がわるいのを通り越して、こちらも狂いそうになる)

感覚を言葉に変化させて、十七音で表現する。
つきつめても、自由に文字を並べても、どこか窮屈。
それゆえに解釈は、読まれた回数だけ存在する。
解釈の幅が狭ければ、良い。そういうものでもない。

日常の狂い、創作の狂い。
「俳句(歌)で人を殺せますかね」
この四人のそれぞれの狂い方は、もはや演技をこえているかのようにも見える。

五音・七音のリズムと、韻を踏んだ言葉がいたるところで刻まれる。
圧巻は、四人による句の群読。
(僕は、ここで通常の観劇モードにもどれました、自分のなかにいるんじゃなくて舞台をみにきてるんだって思い出せた)

ラストの幻想的な風景は、穏やか。

興味深く面白い作品。

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