あした
今日は会社を休んだ。
きっかけはただそれだけだった。特に体調を悪くしたわけでも、仕事に行き詰まり感を感じて逃げだしたくなったわけでもない。朝目が覚めた瞬間「今日は休む」という決定が自分の中で...
今日は会社を休んだ。
きっかけはただそれだけだった。特に体調を悪くしたわけでも、仕事に行き詰まり感を感じて逃げだしたくなったわけでもない。朝目が覚めた瞬間「今日は休む」という決定が自分の中で...
「今日は何の日だ」
夜空は、梅雨のうっとうしい曇り空。終電に急ぐ人の額には、皆うっすらと汗。そんな街の流れに逆流するようにいつもの店に入る。
華菜子さんは、いつもの席にいつもの笑顔で座ってい...
秋風のきつかったその日は桔斗に呼び出されて僕は久しぶりにパチンコ屋に向かっていた。
お気に入りの自転車は今日も快調だ。約束の時間、九時二十五分にぎりぎり間に合いそうである。自転車をパチンコ屋の前に...
今日は一度も鳴らなかったや。
私はそう思いながら携帯電話の着信履歴を見る。溜息をつきながら充電器に差し込もうとしたその時、お気に入りのメロディーが携帯電話から流れ始めた。何故かほっとしてしまう、...
空はまだ明るくなっていない、隣のビルの東側が朱色に染められている。
吹き付ける風が肌を緊張させる、マフラーを鞄にしまい電車に乗る準備をする。ホームは人で埋め尽くされようとしている。対向式ホームの...
風にのり雲が走る。
雲の切れ目から白い半月が顔を出す、まわりの雲に吸い込まれそうなほど存在が感じられない。
窓のカーテンを開けながら思った--私に似た月--
せっかくの休日も何もしないま...
その日は季節外れの暖かい雨だった。
ほとんどの生徒が制服のブレザーを椅子の背もたれにかけて授業を受けていた。二学期の期末テストを一週間後に控えた教室はいつもより格段に静かだ。しかし、風に乗った雨...