さやなかなるときをここで...

書籍

我が心の底の光

著:貫井 徳郎

一人の目線で物語は紡がれる。
貫井さんがこういう物語の書き方をするのは珍しいのか。
三人称一視点描写にもかかわらず、視点人物の感情描写が一切無い。
「晄」という人物の人間性...

誰に見しょとて

著:菅 浩江(早川書房)

化粧にまつわる、10編のSF短編集。
ほんの少し先の未来を見つつも、遙かなる過去からの「化粧」にまつわる著者の考察がしっかりと折り込まれる。

読み応えのある短編...

神様ゲーム

著:麻耶 雄嵩

10歳の少年とトイレ掃除をするのは転校生であり、神様である鈴木君だった。

いろいろ想像するでしょ。
想像以上の物語。

2005年「ミステリーランド」に書き下ろされた...

模倣の殺意

著:中町 信

著者が亡くなってから読むのはすこし心がひける。
なぜ、生前に出会うことが出来なかったのだろう。

同じような仕掛けの物語は沢山出会っていはずだ。
だけど、見事に騙される。...

嫉妬事件

著:乾 くるみ

『ウロボロスの基礎論』(著:竹本健治)で有名になった「京大ミステリ研BOXうんこ事件」の一つの答えの形なのであろう。
軽い気持ちで読み始めたけど、そうはいかなかった。共感したく...

ハーモニー <harmony/>

著:伊藤 計劃(ハヤカワ文庫)

マークアップされたテキストで描かれる本作。
HTMLやXMLになじみがあれば、すんなりとそして位置づけも正しく理解できるんじゃないかな。そうでなくても、邪魔にな...

虐殺器官

著:伊藤 計劃(ハヤカワ文庫)

2009年3月20日に34歳で肺癌亡くなった、著者。
刊行の当時から気になっていたのだけど、同世代故、作者の背景を考えると冷静によめないと思っていて、やっと文庫...

夏のくじら

著:大崎 梢(文春文庫)

大学生の正しい夏休み。
もしくは、よさこい祭り小説。

主人公が高知の祖父母の家に下宿しながら大学に通うことを望んだ本当の動機は、4年前に出逢った女性との再会を望...

孤島の誘拐

著:戸梶 圭太(双葉文庫)

人口300人に満たない、高齢化・過疎・全員が顔見知りという絶海の孤島で誘拐事件が起こる。
戸梶圭太は、欲望を忠実に描く作家という認識が強いせいか、何が書かれてあって...

奇面館の殺人

著:綾辻 行人(講談社ノベルズ)

綾辻さんって違和感を上手く演出する作家なんだと思う。
些細な違和感が積み重なって謎になる。
その違和感の正体に気がつけば、自明のコトなのにうまく視線はそらさ...

平台がおまちかね

著:大崎 梢(創元推理文庫)

出版社の新人営業マン井辻智紀の物語。

『平台はおまちかね』名刺代わりの物語。出版社の営業が本屋に来て、いや行って何をするかということを丁寧に物語のなかに織り込...

辛い飴

著:田中 啓文

普段は音楽以外に興味を持たない、テナーサックス奏者・永見緋太郎。ただ、謎や不思議な出来事に遭遇すると、彼の前では自明のコトになる。

『落下する緑』に続く、ジャズ短編ミステリ...

スノーフレーク

著:大崎 梢(角川文庫)

2011年夏公開された同名の映画の原作です。
文庫のカバーは二重。映画版と書籍版。読み終わって合皮のカバーを外したら、映画版のカバーが外れてちょっとビックリしたけどお...

天帝シリーズ

著:古野 まほろ

メフィスト賞は時々スゴイ才能を発掘するよな・・・新刊で追わなくなって、かなり時間はたってるけど、古野さんは新刊で追えばよかったと後悔してます。(諸処の事情によりこれらの作品も手...