賛美まで 蔑まられた 証だと 捻れた蔓を 枯れるまで待つ
短歌
賛美まで 蔑まられた 証だと 捻れた蔓を 枯れるまで待つ
しとやかに 撫でた指先 今はまだ ここに居ぬから 朝まで待って
雨音を 耳を澄まして 聞きとれば この暗闇に サヨナラできる
やがてくる その瞬間に 本性を 見極められて 立ち尽くす空
ゆびきりと 同じ空気が 消していく 渦巻く空に 雲は東へ
雨を抜い 濡れた背中は 声もなく 花が青くて 何が違うと
この石を 動かした時 まわりだす ほんの些細な 悪意を見せて
ばれぬよう 愛想笑いで 影を踏み ナイフが雲を 割いてくれたら
血のにじむ 言葉を声に 変えたのを 昨日の君が いつか許して
願いなど どこかへ置いた 傘をさし 目的地まで 何から守る
またここで 約束したの 忘れない 信じて待つさ 話は続く
もう二度と すれ違うこと ないのだと 夢の続きと 雨の傷痕
隙間から すり抜けたけど 戻るから やせ細ったの 気づかない檻
知ってるよ 君の言葉に 隠れてる わずかな棘は 優しさの影
どこまでも 夢の続きに 隠したら 肉は滅んで 境目もなく
朱が交じり ただ黒くなる 風景が 明日の希望を 産み出していて
紙切れに 書いた名前は 絶大な 力をもって 夢を殴って
真実が もう悲劇しか うまなくて 嘘と言う名の 最後の砦
囁いた 記号の意味は 埋められた 宝のありか 印した地図へ
永遠に 繰り返されて 作られた ほんの僅かな 頁に赤を
壊れてた 電気仕掛けの 預言者が この日だけはと 動いたようで
まっすぐに 伸ばしたはずの 道なのに 先が見えずに 星を頼りに
さし迫る 重みに耐えて 崩れ出す あなたの声が 少し足りない
いつまでも 瞳の奥に 隠しても 抑えきれない 炎は消して
ゼロになら 届くはずだと 簡単に 数えた日々に サヨナラを告げ
手のひらを 真っ赤に染めて 顔を拭く 不意に握った ペンキ塗りたて
いつまでも 動けないから 過ぎ去った 交差点まで 戻りたい春
駆け出した 明日はいつか 消え去って 声はどこかで 響き続ける
少しでも 積み重なった 悪意ゆえ 誰かのせいに 出来ない怖さ